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| ビアレストラン「クラストン」(岩手県一関市)〜大正時代の貴重な石蔵〜 |

「蔵を残したことで、近所の人が喜んで下さったし、活用法についての提案も頂戴した。ある程度の規模の建物は、地域の共通の財産なんだなと気付き、自分の住むまちを見る目も開かせていただいた」
と話すのは、世嬉の一酒造(株)の佐藤晄僖社長。今回紹介するビアレストラン「クラストン」の経営者でもある。
このビアレストラン「クラストン」は、大正7年に建設された「世嬉の一」酒蔵群の中にある石蔵を改築したもの。当時は精米蔵として利用されていたが、現在はビアレストランとしてはもちろん、そのほかイベント会場としても人気が高く、地元の人々には欠かせない存在だ。
この酒蔵群は石蔵の他にもレンガ造り、土蔵と様々な蔵が並び、「酒の民俗文化博物館」などに改築され公開されている。どれも大正時代の雰囲気を残し、まさにモダンな、和洋折衷の世界である。
石蔵に使用されている石材は宮城県桃生郡鳴瀬町で採掘されている「塩釜石」。大谷石に似た凝灰岩で、現在は「注文があれば」といった程度の生産量。石塀、石蔵として使用されてきたが、他の凝灰岩と同様に需要は激減している。
しかし、レストランの壁として息を吹き返すと、その「ぬくもり」、「暖か味」が感じられ、改めて石の良さが伝わってくる。

同館に来るお客様にもこの石蔵レストランは好評で、「石」の素晴らしさと地ビールに誘われてリピーターも多い。
この酒造群には、作家の井上ひさしさんが中学生時代の一時期を過ごした土蔵もあり、また「世嬉の一」に島崎藤村が滞在したことが有名であることなどから、ここは、様々な文化事業の拠点にもなっている。
なお、「塩釜石」に関するお問い合わせは、尾形石材工業(株)(宮城県鳴瀬町)
0225‐88‐3128まで。
◎世嬉の一酒造(株)=岩手県一関市田村町5-42 | |