荒七酒店(茨城県)
日本民藝館(東京都)
旧青山沈でん池(神奈川県)
ビアレストラン「クラストン」(岩手県)
酒船石遺跡(奈良県)
満濃池樋門(香川県)
大猷院廟奥の院(栃木県)
大阪府立中之島図書館(大阪府)
日本銀行本館(「旧館本館、東京都)
蜂須賀家万年山墓域(徳島県)
霊台橋(熊本県)
八幡神社石鳥居ほか(山形県)
大谷磨崖仏(栃木県)
仙台東照宮(宮城県)
阿弥陀三尊石仏ほか(京都府)
仏足石、仏足跡歌碑(奈良県)
保月六面石幢(岡山県)
日生京都三条ビル旧棟(京都府)
旧二本松藩戒石銘碑(福島県)
山王廃寺塔心柱根巻石(群馬県)
岩戸寺宝塔(大分県)
酒船石遺跡(奈良県明日香村)〜斉明天皇の斎場跡!? 亀型石造物などが出土〜

奈良県明日香村の酒船石遺跡から亀の形をした水槽らしき石造物や石段などが発見された。

写真をご覧になればわかるように、発見された石造物の一つは「亀」の形。どこから見ても「亀」なのである。しかもその加工は現在の技術を持ってすれば容易であろうが、1300年以上前の代物。圧巻だ。

ではなぜ「亀」なのか。中国思想によるもの、と言われているがはっきりしない。「スッポン」という説もあるようだが…。

今回発見された石造物などは、飛鳥池遺跡に建設中の万葉ミュージアムの道路予定地の発掘中に見つかった。飛鳥時代の斉明天皇(女帝、在位655〜661年)の時期の遺跡と推測され、祭祀などに利用された庭園ではないかと考えられている。

亀型の石造物と小判型の石造物を南端に、その廻りには人頭台の石を敷き詰められ、東側には石段がある。使用された石は同地方で取れる花崗岩で、敷石の至る所に砂岩も使われている。

小判型石造物から亀型石造物の鼻へ、そして尻尾へと水が流れるような配置。小判型石造物の突起の穴の位置が、水槽底より8p高い位置にあることから、水槽にたまった不純物は沈殿し、上澄みのきれいな水が亀型石造物に流れることになり、浄化作用も考慮されたようだ。

この酒船石遺跡はそもそも伝飛鳥板蓋宮跡の東の小高い丘(竹林)の頂上に謎の巨石「酒船石」があることに由来する。花崗岩製で、平らな表面に丸い窪みや溝が刻まれている。今回の発見で、「酒船石」の謎も解決するのではと期待が膨らむ。

当時の石工は渡来人といわれるが、石屋の先輩であることは間違いない。どんな思いでこの仕事をしたのか。1300年以上後に、日本中の考古学ファンを魅了できると思ったであろうか。

「石」であったから今も現存する。そんな素晴らしい素材に毎日携わっているのがこの業界。こういった遺跡、文化、技術は、残さなければならない。

◎明日香村教育委員会=奈良県高市郡明日香村大字飛鳥112
◎写真提供:奈良県立橿原考古学研究所