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| 荒七商店(茨城県下館市) |

場所は茨城県下館市の中心部。国道50号線沿にある古い酒屋(荒七酒店)だ。目当ての石蔵(二階建)はこの裏手にある。外観は長い年月を経てかなり汚れが目立つが、全体的にがっしりとしており、大きさといい、細部の彫刻といい決して安い造りではない。
それもそのはず、その昔ここは、お城への出入りが許されていた商家なのだ。今のご主人・荒川洋一氏が14代目で、何代か前の主人は地元の町長を務めていたという。今年の文化財登録にあたり、この家のほぼ全体、石蔵ほか住宅主屋(木造3階建)、店蔵(土蔵造2階建)、付属屋(木造平屋建)、内蔵(土蔵造2階建)が登録された。
話を聞くと、この石蔵は大谷石で、明治42年に米の貯蔵用に造られたという。その後、醤油の貯蔵、酒屋の倉庫などにも使われた。外階段の設置など多少改修されてはいるが、それ以外はほぼ当時のままで、名匠石工の丹念な仕事ぶりが随所に残されている。
注目すべきは、やはり彫刻技術 だろう。大谷石の特性が十分生かされている。まず軒下部分の彫刻は屋根の勾配に合わせ、なおかつ据付けたときに両隣の石と筋がずれないように丁寧に作られている。精度も極めて高い。
また窓枠の受石にも足が掛かるくらいの張出しがムクで彫られている。横1列、石3つに渡って彫られているが、これもまっすぐ一直線に揃っている。窓の両脇に垂直に立つ木の板は風除けのものだろうが、これも装飾的な作りで当時の職人気質が感じられる。
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